アラタ君が合格した9学部・学科
まず、アラタ君が合格した難関私立大の9つの学部・学科を確認しておくと、次のようになります。早稲田政経(国際政治経済)、早稲田法、早稲田国際教養、慶応法(政治)、上智外国語(英語)、上智外国語(ドイツ語)、上智法(国際関係法)、上智総合グローバル、上智文(歴史)。
このうち上智の5つは、共通テスト利用だったので、結果からすると赤本の検討は不要な合格の方法でした。ただ、この5つの出願は、共通テスト実施前に締め切っていたので、共通テストがうまくいかない時のことを考えて5つ、出願しました。そして共通テスト利用がすべてダメだった時は、TEAP利用枠で受験することを予定していました。共通テストの3科目(英語、国語、世界史)がうまくいったので、上智の5つの入試はすべて共通テスト利用で合格しました。
なぜ赤本を解かなかったのか
上記のすべての入試について、アラタ君は赤本は購入していましたが、実際の時間をかけてセットで解く、ということはしませんでした。
問題を見ておく、ということは、前日、数日前にやりました。入試本番で意外な出題形式があったり、レベルが想定外だったり、ということは避けなければならないからです。しかし、3つの難関私立大すべてについて、問題を解いて採点し復習をする、ということはしませんでした。
上智のTEAP入試についても同じで、数日前に過去問の出題形式を見て、英検とどこが違うのかを確認した程度でした。結果は、96パーセント正解することができました。
その理由については、動画内でアラタ君が説明している通りです。難関大学の入試問題は難しすぎる問題、解く必要がない難問が多いので、そのような問題の復習に時間をかけるのは時間の無駄だからです。
赤本との付き合い方
高校3年生、浪人生の多くは、夏あたりから赤本を常に持ち歩き、まず5年分、そして時間がある限り10年分、20年分と過去問をさかのぼって解いていきます。
しかし、ほとんどの受験生は、難しすぎる問題、つまり正解できなくてもいい問題を、自分にとって適正なレベルの問題の区別をつけることができないのではないでしょうか。つまり、赤本を受験勉強の中心にすると、その時間の多くが無駄になってしまうのではないでしょうか。
それでは何をすればいいのか
赤本よりも、自分の実力をつける勉強をする。これが、私がアラタ君に1年間、言い続けたことです。
もちろん、出題傾向を見る、出題形式を見ることは問題ありません。夏休みあたりから、第1志望、第2志望の赤本に軽く目を通しておくことは有益です。
ただ、自分のレベルに合った勉強、実力がつく勉強とは何なのか、を常に考えて、レベルに合った参考書、動画、問題集に時間をかけることが最も重要です。
(オックスフォード学院塾長・山本 清)
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