はじめに
オックスフォード学院が印西市で開校してから9年が経ち、第1期生たちが大学入試を受けるようになりました。今回は、その第1期生のアラタ君がどのように中学受験や高校受験を乗り越え、東京大学に合格したのかという経験をお伝えします。
アラタ君は、小学校・中学校・高校で成績が常にトップではありませんでした。それでも、東京大学をはじめとする難関大学の入試を全て突破したその過程には、多くの学びが詰まっています。この体験談を通じて、受験突破に必要な考え方や戦略を紹介しますので、受験を控えている方や保護者の方々はぜひ参考にしてみてください。
出演者紹介
今回は、アラタ君の受験についてお話をします。長谷川くんは今回ゲスト出演してもらいました。
アラタ君:メインキャスト
現在、東京大学文科Ⅰ類(法学部進学課程)1年。小3からオックスフォード学院で英語を始めて、5年生で英検2級、中2で準1級に合格。高校入試で市川高校に合格し、帰国生ではないのに「帰国生英語クラス」への出席を認められた。高3で英検1級合格。2024年2月~3月に東京大学、早稲田大学政治経済学部、同法学部、同国際教養学部、慶應義塾大学法学部政治学科などに合格。英語に加えて日本史・世界史も中学時代から先取りし、世界史は駿台全国模試で全国1位を取った。
YouTubeの受験チャンネル「赤門道場」の第1期生でアラタとして番組に出演していた。
長谷川君:ゲスト
現在、東京大学文科Ⅱ類(経済学部進学課程)2年。小6からオックスフォード学院の5級クラスで英語を始めた。オックスフォード学院の中では、早期のスタートではなかったが、中2で英検2級。木刈中学校で、中1から中3まで、ほとんどの定期試験で1番。中学の部活と受験を両立させ、高校受験では、英語を武器に開成高校、渋谷幕張高校、筑波大付属高校、市川高校に合格。開成高校に進学し、高1で英検準1級に合格。大学入試では東京大学、慶應大学経済学部に現役合格。
山本 清 (やまもと きよし):司会進行
オックスフォード学院塾長。細部は当サイトのプロフィール欄をご参照ください。
受験攻略法&合格体験記① 小学生・中学生・高校受験編
得意科目をつくることができた
座談会の前半は、小学生・中学生・高校受験の時期の体験談です。ボクは、いわゆる「1番タイプ」ではなく、中学の時の席次は、上から10パーセントくらい。普通なら東京一工、旧帝大、早慶上智は無理な順位でした。
しかし、英語と社会(特に歴史)の先取りを小学生時代に始めて、ずっと続けたことで得意科目が2つできたことが、市川高校合格につながりました。
平均点で勝負するのであれば、市川高校に行くためには、印西市の中学で上位1~2パーセントの成績を取る必要があります。ボクは平均点では学年の上から10パーセント程度の成績でした。得意科目を2つ、つくるという戦略を取ったことが、市川高校に合格した最大の理由です。
多くの小学生、中学生は、学校の平均点がトップではない、という事実に直面すると「あああ、自分はトップではないんだ」と思い、受験でトップレベルの学校に行くことをあきらめてしまいます。しかし、得意科目を複数、つくれば、成績がトップではなくても、トップの学校に進学することは可能です。
「逆転合格」には理由があった
インターネット広告や「赤門道場」の番組を見ると、ボクは受験前の夏に「C判定」だったところから、半年で逆転した、という印象を持つかもしれません。しかし、ボクが逆転合格したのには理由があります。それは、小学校の時からの「先取り」です。
英語は、小学校3年からオックスフォード学院の山本先生の5級クラスの授業でスタートし、3年生で5級、4年生で4級、3級、5年生で準2級、2級に合格していました。その後は他の勉強やピアノ、バイオリンでも忙しくなったため英語のペースを少し落として、準1級を取ったのは中2の秋。中学生で準1級を取った人は、印西市(人口12万人)でも、まず見当たりません。
オックスフォード学院のメソッドで圧倒的な英語の先取りをしていたことが、高校受験の基盤をつくった、ということができます。
英語と社会で全国トップクラス
歴史の先取りについては、小学生時代に中学歴史の勉強を終え、中学時代には高校の日本史・世界史の教科書・参考書を読みあさるようになりました。中2の終わりごろ、英語と社会については、全国の上位層が集まる駿台中学生模試で全国トップクラスの偏差値を取るようになっていました。
オックスフォード学院の山本先生は、東大とオックスフォード大で歴史を専攻していて、英語だけでなく歴史の学習のアドバイスを受けることができたのも、歴史を好きになったきっかけになりました。
反省点:数学の勉強量が不足
反省点もあります。それは、数学から逃げていた、ということです。時間をかけて数学に向き合っていれば、もっと楽な高校受験ができていたはず、と考えることがあります。ただ、一度得意になれば「裏切らない科目」といわれている英語・社会が得意になっておけば、中学の成績・席次を超えるレベルの高校に合格する、ということも確かです。
受験攻略法&合格体験記② 高校生活・大学受験編
パターンは高校受験と同じだった
大学受験についても、英語と社会が絶対的な得意科目で、苦手な数学の穴を埋めた、というパターンを繰り返した、ということが言えると思います。
学校の先生、塾・予備校の先生、教育系ユーチューバーのほとんどは、文系でも東大は無理、と言います。でも、ボクのような道もあります。いや、次のように言うことができます。もし平均点勝負をする、という普通の道を歩むのであれば、東大に行けるかどうかは、中学の時の成績・席次で決まってしまいます。
実際、印西市の中学から東大に行く人を見ると、これまでは例外なく中学で1番、という席次を取っている人でした。つまり、これまでは100人から200人に1人しか東大に行ける可能性がない、ということになっていました。
得意科目の勝負で東大に合格する
得意科目で数学の穴を埋めて東大に行く、というパターンは、日本では異端なのかもしれませんが、実は国際標準では当たり前です。
オックスフォード学院の山本先生は、アメリカ、イギリス、ドイツで生活したことがありますが、文系の大学でも数学2Bレベルの部分積分、ベクトルなどが必須、という国は日本だけです。アメリカでは、数学は1Aレベルでハーバード、エールなどの名門大学に行くことができます。
早慶など私立大入試で圧倒的に有利
そして、ボクのような英語・社会(日本史・世界史)を先取りで得意にしておく、というやり方は、私立大学入試で圧倒的な強味を発揮します。
2024年2月の入試で、ボクは早稲田政経(国際政治経済)、早稲田国際教養、早稲田法学部、慶應法学部(政治)、上智外国語英語・ドイツ語、上智総合グローバル、上智法学部(国際関係法)、上智文学部(歴史)という10学科を受けて、すべて合格しました。私立大学の多くでは、英語、国語、社会(1科目)でほぼ合否が決まります。試験科目の中で、英語と社会は、大きく点差がつくので、ボクのようなタイプはかなり有利です。
市川高校の中では、学校の席次は400人の中で200番から250番でした。東大を含む10学科、すべてに合格した、ということを聞いて、驚く人が多いのですが、河合の全統共テ模試、全統記述模試の私立型の偏差値は、75から85がついていました。もちろん、英語と社会のおかげです。第2回の駿台全国模試の世界史は、全国1位になりました。
入学後の勉強にも大きく役立つ
英語と歴史に強くなっておくと、大学入学後も有利です。初年度の前期(Sターム)に履修した科目を見ると、半分程度が世界史に関係している科目です。つまり、世界史を勉強せずに大学の文系学部に入ると、入ってからが大変です。
英語についても、同じようなことが言えます。先取りで英語を得意にしておくと、大学に入ってからも英語は得意科目になります。東大の場合は、どの学部・学科に進学するのかは成績で決まるのですが、英語で高得点を取ることができれば、自分が行きたいところに行ける可能性が高くなります。留学する時の大学選びについても同じようなことが言えます。
早いうちにオックスフォード学院で英語の先取りをし、歴史を鍛えてもらってよかった。東大に入った今、身に染みて感じています。
おわりに
この記事では、受験攻略法と合格体験記を通じて、成功するためのポイントと実際の体験談を紹介しました。小学生から高校生、そして大学受験に至るまで、試行錯誤しながら築き上げた勉強法や戦略は、多くの方にとって有益な参考になることでしょう。
アラタ君や長谷川君、山本清塾長の貴重な経験談を元に、各受験ステージでの成功の秘訣や反省点をしっかりと振り返り、自分自身の受験戦略に活かしてみてください。特に得意科目を作ることの重要性や、逆転合格のための具体的なアプローチは、多くの受験生にとって大きなヒントとなるはずです。
受験は単なる試験ではなく、自分自身を成長させる貴重な機会でもあります。この記事が皆さんの受験生活をより充実したものにする一助となれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事を読んでくださった皆様の成功を心よりお祈りしています。
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