高校受験の数学は20点くらい
僕は、高校受験では開成、渋谷幕張、市川を受験しました。
数学はずっと苦手で、この3校の受験では、数学はすべて20点くらいの得点でした。合格点は50点から60点くらいでしたから、数学1科目で30点から40点の穴があいてしまっていました。
中3の時に受験した駿台中学生模試でも、このくらいの得点だったので、数学の得点はある意味、予想通りでした。そこで、数学以外の科目で40点を穴埋めすることを目標にしました。英語で合格点プラス20点、社会で合格点プラス20点。この作戦が予定通りに行けば合格する、という計算でした。
開成と渋谷幕張の入試では、英語と社会でそれぞれプラス15点ずつくらいは取れており、あと少しで合格だったと思うのですが、不合格でした。数学の穴を英語と社会で埋めることができなかったのです。駿台模試の合格評定では、この2校についてはいつも40パーセントから50パーセント、つまりC判定くらいだったため、運が伴わないと合格しないというのが僕の実力だったと思います。
英語と社会で数学の穴埋め
一方、市川の場合は、英語も社会も確実に20点ずつ、合格点よりも高い点数を取ることができたという感触でした。国語についても、サピックス中学部の問題演習でやっていた漢文の文章がそのまま出たという幸運も重なり、合格できました。
数学から逃げずに、もっと問題演習をやっていれば、30点から40点を取ることができて、もう少し楽な勝負ができたと思います。その一方で、数学に無限に時間を取られることなく、英語と社会にもそれなりの時間を取ることができたことが市川に合格した勝因でした。
数学は、実力をワンランク上げるためには膨大な時間がかかります。そして、実力を上げることができたとしても、その実力が入試でそのまま出るとは限りません。ある意味で数学は「運ゲー」です。その一方で、英語と社会は、時間をかければ確実に力がつき、また、その力は必ず入試で発揮することができます。「英語と社会は裏切らない科目」と昔から言われているようですが、その通りだと僕は思っています。
大学入試でも同じパターンだった
高校に入ったら、必ず数学を得意科目にしようと思っていたのですが、大学入試でも高校入試と同じパターンになってしまいました。英語と社会は得意科目になりました。高校3年で英検1級を取りました。また、社会については、昨年度の駿台全国模試で世界史は全国1位を取り、東大入試本番では、日本史は60点満点で51点を取ることができました。
数学は、東大本番では80点満点で8点!―――10パーセントの得点でした。このような数学の点数は予想できていたため、英語、社会、国語で確実に高得点を取るための勉強を積み重ねていき、東大二次試験の本番では、ほぼ作戦通りの得点になりました。
社会は受験生だった時期を通して最も安定していた科目で、世界史・日本史は東大入試では44点と51点、共通テストでは100点と91点という高得点を取ることができました。
数学は無限に時間を奪う科目
さきほども言いましたが、僕のように数学が得意ではない受験生にとっては、数学という科目は、無限に時間を奪う一方で、かけた時間に比例する成果が保証されない科目です。
もちろん、入試に合格するためには、数学も得点できたほうがいい、ということは言うまでもありません。僕の場合、東大入試本番で、8点ではなく20点を取ることができる力があれば、もっと楽に合格できたはずです。逃げずに、もう少しきちんと数学に向き合うべきだった、という反省はあります。
ただ、河合塾の玉置先生が言われるように、数学をある程度あきらめて、他の科目で確実に得点を上乗せするという考え方も場合によっては必要ではないでしょうか。玉置先生の「数学を捨てた時、東大に合格する」という言葉は、本質をついていると思うのです。
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