英語の学習を進めていくためには、英検の学習をするのが一番いい、他には英検に匹敵する方法はない、ということを今回はお伝えします。
英語を先取りで学習したい小学生・中学生・高校生。高校生までにあまり英語が得意ではなかったので英語をやり直したい大学生・大人。このどちらのカテゴリーに属する人も、英検が最も優れた教材だと私は考えています。
私の英語塾「オックスフォード学院(山本塾)は、9年半前に小学生対象の英語先取りの塾としてスタートしました。その後、中学生、高校生、大学生と徐々に年齢層が広がり、現在では社会人の塾生もいます。私の塾では、クラス分けは英検5級から1級まで7段階に分けており、学年別・年齢別にはなっていません。たとえば準1級クラスには中学1年生から高校生、大学生、社会人までいます。自分が所属する級の力がしっかりついたら、次の級に進級します。
英検が7段階(新年度から8段階)に分かれていることが、英語学習は英検一択であることの最大の理由です。以下、詳しく述べます。
徐々に上がっていくことができる
英検は、5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級という7段階に分かれています。自分に合った級の学習を始めて、その級に合格すると上の級に上がっていく、という学習をすることができます。新年度からは準2級と2級の間に新しい級が設置され、なんと8段階になります。
この7段階(2025年度からは8段階)の中から自分の力に合った級を選ぶことができれば、適したレベルの学習をスタートすることができます。
易しすぎる、と思う級から始めよう
このスタートの時に、1つ重要な注意点があります。たとえば2級をすでに持っている、とします。そうすると準1級の勉強からスタートしたくなりますが、私のおすすめは2級レベルからのスタートです。
英検の合格は、5級から2級までは60パーセントの得点が目安で、準1級と1級だけ70パーセントが目安です。
たとえば2級で62パーセントの得点だった場合、かなりギリギリなのですが、合格します。ところが、62パーセントの得点率、というのは、実は半分くらいしか自力で問題を解くことができていないのです。
これはどういうことでしょうか。
2級の問題の半分を自力で解いて正解した、とします。50パーセントは自力の正解です。残りの半分はどうでしょうか。分からない問題、自信がない問題は、たとえば全部「2」のところを鉛筆で塗った、とします。そうすると、英検の問題の多くは4択なので、12パーセント強は正解になります。つまり、半分自分の力で解ければ、合格してしまうのです。(もちろん、ライティングとスピーキングは4択ではありませんが、説明を簡略化するために、このような書き方をしました)。
勉強を始める前に、まず過去問をセットで解いてみましょう。ライティングを自己採点するのは難しいですから、ライティング以外の筆記とリスニングだけをやってください。75パーセントから80パーセントくらい正解できれば、学習の中心は2級で大丈夫です。私の塾に入塾を希望する人にも、私は同じことを言います。最低でも75パーセント得点できなければ、仮に2級に合格していても、もう一度、2級クラスで2級の内容を確認して、75パーセント以上得点できるようになってから準1級に行きましょう。
75パーセント以上、取れていても…
もし2級の過去問をセットで解いて75パーセント以上取れていれば、軸足は準1級に置いてもかまいませんが、2級、さらに準2級のレベルの学習を必ず学習のローテーションの中に入れてください。
なぜなのかというと、2級を75パーセント以上解くことができても、解けない問題が25パーセントあれば、これができるようになることが準1級への近道だからです。
さらに、ライティング、スピーキングの力があるのかを考えてみると、2級に合格した人が2級筆記の冒頭の穴埋め問題や、長文問題の内容を自分で書いたり、話したりすることは、まずできないと思います。ライティングやスピーキングで準1級の合格点を取ることを考えると、その内容は、準2級、3級の筆記のレベルの文法や単語・熟語を言うことができれば十分なのです。
筆記の基礎を固めるため、ライティング、スピーキングで合格点を取るため、自分が目指す級よりも1つ、2つ下の級の過去問をたくさん音読しましょう。
英検は内容が抜群に優れている
以上、英検が7つのレベルに分かれていることが、英語学習で「英検一択」と私が考える最大に理由ですが、他にも理由があります。
英検で求められる文法、単語・熟語が、2級であれば「これこそ2級!」というものばかりで、しっかり復習すれば必ず力がつきます。英検の問題作成には、間違いなく数十人のネイティブ、日本人のプロが関わっており、英検の問題で「悪問」は見たことがありません。
解いた後に、しっかり音読を中心に復習すれば、必ず力がつきます。
文章の内容が優れている
次に、英検の長文が感動的だったり、社会について考えさせるような内容だったりして、学んでいて楽しいことも、私が英検をお勧めする理由です。
たとえば、動画でもご紹介した準2級の過去問で、おばあちゃんから読み聞かせてもらった形見の本についての長文がありました。本に詳しい友人に見せたところ「高く売れるよ」と言われて、売ろうか迷ったけれど、おばあちゃんに読み聞かせをしてもらった子ども時代のことを思い出して、売るのをやめた。こんな内容の問題がありました。私も、学者だった父が残していった本を売ろうかどうか迷って、売るのをやめた経験があり、この準2級の過去問を読んで、感動しました。
次に1級のライティングの過去問の例を挙げましょう。莫大な資金がかかる宇宙開発を続けるべきか否かを述べよ、という過去問があります。これを書くためには、宇宙開発の専門家たちは、数千年後、地球が住めない環境になった時に、人類が移住する場所を探している、ということを知っているかどうかが重要です。社会について、人類の未来について、日ごろから関心を持っているのかを問う良問です。
筆記には音がないところが欠点
このように、英検の各級の問題は非常にすぐれているのですが、過去問集に音声がリスニングだけにしか付属していないのが欠点です。スピーキングについては、別売りの形で音声が販売されています。しかし、筆記の穴埋め問題、長文問題には音声がありません。
音声がなくても、復習の際には何度も音読しましょう。そして、長文や文法の学習をする際には、英検の過去問本以外も音読付きの本を学習し、何十回、何百回音読しましょう。どんな本が音読に適しているのかについては、私のチャンネルの別動画で紹介しています。
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