音声を使う音読練習法① 「後追い読み」
今、多くの英語の長文集や単語帳には音声がついています。10年ほど前のものであればCDがついており、最近2、3年のものであればMP3をダウンロードするものがほとんどになっています。CDであれMP3であれ、音声がついていれば、音声を使った音読ができます。
第1に「後追い読み」という方法があります。これは、音声を文章ごとに(場合によってはさらに細かく)止めながら、自分が読む時間をつくったうえで音読する方法です。「後追い読み」の良いところは、自分のペースで音読の練習をすることができる、ということです。今回の動画では、アラタ君はまず課題文の「後追い読み」をしています。
しかし「後追い読み」には欠点が2つあります。まず、時間がかかってしまうこと。これは、後述する「オーバーラッピング」や「シャドウイング」の倍以上の時間がかかります。音声の時間に加えて自分が読む時間が必要になるからです。時間がかかるのでやらない、ということになってしまいがちです。また、続けて英語を聞き、読むことにならないので、文章の流れを勉強することができません。
音声を使う音読練習法② 「オーバーラッピング」
音声を使った英語音読の第2は「オーバーラッピング」です。この方法は、音は大きめにして流しっぱなしにします。そのうえで、文章を見ながら、音声からは0.2秒ほど遅れて、自分も大きな声で、聞きながら英語を読んでいきます。今回の動画では、アラタ君は「後追い読み」に続いて「オーバーラッピング」をやっています。
オーバーラッピングは、英語を聞くことと読むことを同時に練習することができます。また、後追い読みの半分以下の時間で音読練習をすることができます。
この「オーバーラッピング」が、中学生、高校生ら受験生の英語音読でいちばんお勧めしたい方法です。一度、長文を学習したら、また、単語帳の各単語についている短文を学習したら、その日のうちにまず最低5回は音読をしましょう。そして、翌日から1週間くらいのうちに30回から50回。さらに2週間、1カ月のうちに50回、できれば100回の音読をしましょう。この時の音読は、ぜひ「オーバーラッピング」をしましょう。
オーバーラッピングが難しければ、最初は「後追い読み」でかまいません。でも、後追い読みを数回やったあとは、オーバーラッピングに挑戦してください。
音声を使う音読練習法③ 「シャドウイング」
最後に「シャドウイング」についても紹介しておきます。「シャドウイング」は、簡単に言うと、「テキストを見ないオーバーラッピング」のことを言います。耳で聞いて、そのまま自分の口で言う。これがシャドウイングです。
同時通訳をしている先生たちは、テレビやインターネットのABCやBBCなどのニュースを毎日、2~3時間、シャドウイングしています。
シャドウイングは、普通の中高生、受験生にはなかなか難しいので、今回は言葉の意味の紹介だけにとどめておきますが、オーバーラッピングを繰り返したあとに、もし可能であればシャドウイングもやってみてください。シャドウイングは、テキストがありませんから、リスニングが完璧になっていないとできません。
オーバーラッピング、アラタ君は毎日1時間
アラタ君は、受験の最後の1年間、毎日1時間、オーバーラッピングをやっていました。オーバーラッピングで重要なことは、単語・熟語、文法、構文などを理解したうえでやることです。今の自分がチャレンジで読んでいる英語よりも、1ランクから2ランク、易しい英語で練習を始めることをお勧めします。
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